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ポジティブな職場環境 ー 人が本来持っている能力を存分に発揮できる職場環境とは

組織開発

 あなたは今から200人の聴衆の前でスピーチをします。

 状況 A: 昨日、上司から、「○○さんは人前で話をするのにいつも言葉足らずだし、おおざっぱすぎる。準備万端にしておかないと明日のスピーチで大恥をかくよ」、と言われた。最前列に座っている上司の目が厳しい。

 状況 B: 昨日、上司から、「○○さんは口数こそ少ないが、気持ちが伝わってくるし、心に響く。明日のスピーチも今から楽しみだよ!」、と言われた。後ろの方に座っている上司が笑顔を送ってくれた。

 大勢の前でスピーチ、ただでさえ緊張します。マイクに向かっているあなたの今の気持ちは、状況A と状況Bでどのように違うでしょうか?

 状況Aでは、上司が部下に短所を指摘し、指導し、プレッシャーを与えています。一方状況Bでは、上司が部下に、部下の長所について十分に理解していることを伝えた上で、スピーチの成功を確信していて、「自分はそれを楽しみにしている」というポジティブな表現で期待をさりげなく伝えています。

 ポジティブな職場環境は、あたかもかごの中から出て大空に飛び立つ鳥のように、人が思いっきり力を発揮できる場面を生み出します。もちろん、思いっきり力を発揮しても、いつも成果に結びつくとは限りません。でも、ポジティブな職場環境は、「経験を積み重ねて次に活かそう」という気持ちを生み出します。

ポジティブな職場環境をつくるのは、リーダーシップとコーチングカルチャー、そして「人の和」に焦点を当てたコンピテンシーです。次回は、ポジティブな職場環境をつくるために大切なことについて掘り下げてお話したいと思います。